消費者庁は2026年10月20日、株式会社giobai(東京都渋谷区)に対し、景品表示法に基づく措置命令を出した。対象は同社が販売する「FLEURISTE」と称する商品の表示である。ダニへの効果に合理的な根拠がないとされたほか、報酬を払って依頼したInstagramへの投稿を自社ウェブサイトに転載した行為が、ステルスマーケティング告示の違反と認定された。
背景
ステルスマーケティング告示は、事業者の表示であるにもかかわらず、一般消費者が事業者の表示だと判別しにくいものを規制する。これまで広く知られてきた型は、インフルエンサー本人のSNS投稿に「PR」の表記がない事例である。
今回はそこから場所が移る。消費者庁の公表資料によると、giobaiは本件商品の無償提供と対価の提供を条件に、第三者へInstagramへの投稿を依頼した。そのうえで、投稿の一部を抜粋して自社ウェブサイトに掲載した。依頼による投稿であることは示していない。掲載箇所には「User’s Voice SNSでも大人気」といった見出しが添えられていた。問われたのは投稿そのものではなく、それを自社の面に置いた表示である。
優良誤認表示とされたのは、自社ウェブサイトに掲載した効果の訴求である。公表資料には「ダニが死滅する50度まで急速に熱し、乾燥させる」「ダニよけ効果 87.4%」「99.99%除菌」などの記載が挙げられている。消費者庁は景品表示法第7条第2項に基づいて根拠となる資料の提出を求めたが、提出された資料はいずれも合理的な根拠と認められなかった。
命令は、違反の事実を一般消費者に周知徹底すること、再発防止策を講じて従業員に周知すること、今後同様の表示をしないこと、実施状況を文書で消費者庁長官に報告することを求めている。課徴金についての記載は公表資料にない。
事業者への影響
効いてくるのは「転載」の扱いである。インフルエンサーに依頼した投稿を、画像や引用の形で自社サイトやランディングページに載せる運用は広く行われている。今回の認定は、投稿した本人の側にPR表記があったかどうかとは別に、転載した事業者の表示として責任を問えることを示した。
自社サイトを点検するなら、確認するのは次の4点になる。
- 掲載しているSNS投稿や口コミのうち、商品提供や金銭を伴うものを区別できているか
- 区別できている場合、転載した箇所に「PR」「提供」などの表示を付けているか
- アフィリエイト経由の記事やレビューを、出所を示さずに自社サイトへ引き写していないか
- 過去に掲載した分まで遡って、依頼の有無を確認できる記録が残っているか
効果の訴求も同じ面で問われている。根拠資料を持っていることと、その試験条件が広告の表現と合っていることは別の話である。自社の試験成績書を見直すときは、試験の条件が実際の使い方から離れていないかを合わせて確かめたい。離れている場合、資料はあっても合理的な根拠と認められない可能性がある。
点検の順番としては、効果訴求とUGCの扱いを別々の作業にしないほうがよい。今回は1つの商品ページで両方が問われている。
今後の見通し
ステルスマーケティング告示の執行が今後どこまで広がるかは、現時点では分からない。ただし、依頼投稿の転載という形が認定の対象になった以上、同じ運用を続けている事業者は確認を求められる可能性がある。
消費者庁は命令の実施状況について文書での報告を求めている。giobaiがどのような周知を行うかは、今後公表される可能性がある。
出典
- 消費者庁「株式会社giobaiに対する景品表示法に基づく措置命令について」2026年10月20日
https://www.caa.go.jp/notice/entry/047830/ - 消費者庁 公表資料(PDF)2026年10月20日
https://www.caa.go.jp/notice/assets/representation_cms210_261020_01.pdf - 通販通信ECMO「ネット通販のgiobaiに措置命令…布団乾燥機の効果で優良誤認、ステマの認定も」2026年10月20日
https://www.tsuhannews.jp/news/detail/76019


