Microsoftは2026年10月13日、Bingウェブマスターツールの「AI Performance」レポートに「Topics Portfolio」をベータとして追加した。AIの回答の根拠に使われた質問を主題のまとまりに分け、自社サイトがどの主題で引用されているかを示す。他社が引用され、自社が引用されていない質問も一覧できる。
背景
公表はBingウェブマスターブログで、Microsoftのクリシュナ・マドハバン氏ら3名の連名である。AI Performanceレポートは、AIの回答を組み立てる際に根拠として参照された質問と、引用されたページを示すものである。今回はそこに主題の軸が加わった。ブログはサッカー、税金、AIチャットボットを主題の例として挙げている。
タブは「サイトに十分なデータがある場合」にCitations & Pagesの隣に現れる。示される指標は3つである。Topic Sizeはその主題で全サイトに生じた引用のおおよその総数、Sites Citedは引用されたサイトのおおよその数、Queriesは主題に含まれる異なる質問のおおよその数である。Sites Citedは、その主題がどれだけ混み合っているかの目安になる。
Microsoftは限界も並べている。主題の分類はAIが行うため、人が見れば別の主題に入れる質問が混ざることがある。自社サイトの露出や市場の動きが乏しい主題は表示されない。引用数は幅で示され、正確な値ではない。ブログは、これらの数値を計画のための方向性を示すものであり、正確な台帳ではないとしている。
事業者への影響
AI検索での露出を、サイト運営者自身が無料で確かめられる手段は限られる。この機能はその数少ない一つになる。とくに「Top Opportunity Queries」は、他社が引用されていて自社が引用されていない質問を並べるため、どの話題でページが足りていないかが分かる。
ただし見ているのはCopilotとBingの側である。GoogleのAI OverviewsやAI Mode、ChatGPTでの引用を示すものではない。国内の検索シェアを踏まえると、母数は小さくなる。主題の傾向や抜けを読む道具として使い、取引先に出す報告の主たる指標には据えにくい。
次の形で使うと無理がない。
- Bingウェブマスターツールにサイトを登録していない場合は、まず登録して計測を始める
- 機会クエリのうち、自社が事実に基づいて答えられる質問を抜き出す
- 主題の単位で、既存ページの抜けと重複を洗い出す
- 数値は概算なので、小さな増減を追わず、主題ごとの大きさの順だけを見る
- 自社や他社のブランド名を含む質問が機会クエリに混ざることがあるため、除いて読む
今後の見通し
ベータであり、指標の定義や画面が変わる可能性がある。Microsoftは主題の行と機会クエリに評価のボタンを置き、利用者の反応を集めている。分類の精度は、その反応を受けて動くとみられる。
Googleの側にも、AI検索での引用をサイト運営者に見せる動きはある。ただし本紙が確認した範囲では、主題の単位でまとめ、他社に取られた質問まで示す形のものは確認できていない。計測の仕組みが各社で分かれたままになるか、そろっていくかは、現時点では分からない。
出典
- Bing Webmaster Blog「Introducing Topics Portfolio (Beta) in AI Performance」(2026年10月13日公表):https://blogs.bing.com/webmaster/2026/10/introducing-topics-portfolio-beta-in-ai-performance/
- Search Engine Roundtable「Topics Portfolio In Bing Webmaster Tools AI Reports」(米国時間2026年10月13日11時59分掲載、同日12時04分更新):https://www.seroundtable.com/topics-portfolio-bing-webmaster-tools-42288.html


