佐川急便は、国際宅配サービス「飛脚国際宅配便」に繁忙期追加金を導入する。対象は2026年10月1日の集荷分から2027年2月5日の集荷分までである。物流専門紙LNEWSが9月29日に報じたところによると、加算額は仕向地域ごとに設定され、1kgあたり20円から150円の幅になる。
背景
同社は案内で、貨物の需要が高まる期間にも安定した国際輸送サービスを届けるため、繁忙期追加金を導入すると説明している。期間を限った措置である。
同種の措置は前年にも実施された。前年度は10月1日の集荷分から2026年2月16日の集荷分までが対象で、地域別の加算額は1kgあたり20円から230円だった。今回は上限が150円に下がり、期間の終了日は11日早くなっている。
この時期に追加金が設けられる理由は、需要の集中である。年末商戦から旧正月にかけて、航空便の搭載枠と地上の処理能力が逼迫する。国際輸送では燃料サーチャージが別に設定されており、繁忙期追加金はそれとは別の項目として扱われる。
事業者への影響
越境ECの発送を佐川急便で回している事業者は、本日10月1日の集荷分から原価が上がる。年末商戦のほぼ全期間が対象に入る。
確認の順序は決まっている。まず、自社の主要な仕向地がどの地域区分に入るかを見る。加算額の幅は1kgあたり20円から150円である。同じ1kgの荷物でも、地域によって負担は7倍を超えて違う。北米や欧州が主力の事業者と、東アジアが主力の事業者では、受ける影響の大きさが異なる。地域別の金額表を手元に置いて、自社の出荷構成に当てて計算したい。
次に、送料設定の形を見る。実費を都度反映する形なら、追加金はそのまま買い手に渡る。一定額の送料や送料無料を掲げている場合は、差額を自社が負担する。後者では、年末商戦の粗利計画に影響が出る。
あわせて点検したい項目は次の通りである。
- 送料表を実重量ではなく請求重量(容積重量との比較後)で組んでいるか
- 送料無料の下限額が、追加金を含めても成り立つ水準か
- 他の国際配送手段との比較を、期間限定の追加金込みで行っているか
年末商戦の価格を先に決めてしまう事業者は多い。追加金の期間は商戦の前に始まる。表示価格と送料条件を確定させる前に、地域別の金額を反映させておきたい。セール告知を出した後の変更は、買い手との関係で難しくなる。
今後の見通し
他の事業者が同様の措置を取るかどうかは、現時点で確認できていない。国際輸送の繁忙期対応は各社が個別に判断しており、追随の動きがあるかは注視したい。
期間の終了日が前年より早い点と、上限額が下がった点について、同社は理由を公表していない。需要見通しや搭載枠の確保状況の違いによる可能性があるが、断定はできない。燃料サーチャージは別枠で改定されるため、こちらの動きもあわせて追う必要がある。
出典
- 佐川急便「飛脚国際宅配便(繁忙期追加金)導入のご案内について」お知らせ:https://www2.sagawa-exp.co.jp/whatsnew/detail/2667/
- LNEWS「佐川急便/10月1日集荷分から飛脚国際宅配便に繁忙期追加金を導入」(2026年9月29日):https://www.lnews.jp/2026/09/s0929101.html
- MarkeZine「佐川急便、10/1〜飛脚国際宅配便に繁忙期追加金を導入」(前年度の措置に関する記事):https://markezine.jp/news/detail/76333


