日本郵便は2026年10月23日、米国宛て郵便物の差出条件を改めた案内を公表した。米国税関・国境警備局(CBP)の通達により、2026年10月15日から内容品の価格が2,500米ドル以下の郵便物には事前申告登録が必要になっている。今回の改訂で明確になったのは、商用の物品は100米ドル以下でも登録が要るという点だ。登録が任意になるのは書類と個人間の贈答品で、いずれも2027年1月19日までの扱いとなる。
背景
日本郵便は2026年10月14日に米国宛て郵便物の引受けに関する案内を出し、10月15日から引受けを原則としてほぼ全ての郵便局に広げた。同じ10月15日から、CBPへの事前申告登録が必要になっている。登録は認定事業者のアプリを通して行い、日本郵便が案内している事業者はZonosとSafePackageの2社だ。登録すると13桁の申告番号が発行され、宛名ラベル上部の余白に「DDP-(13桁の申告番号)」の形式で記載する。自動で印字されない場合は手書きで補う。
その後のCBPの通達で、書類と100米ドル以下の個人間の贈答品については、2027年1月19日まで登録が任意となった。日本郵便はこれを10月23日付の案内に反映した。ただし贈答品についても、米国側の輸入手続きが円滑に進むよう登録を推奨している。改訂内容は2026年11月1日から国際郵便料金表に反映される。
登録の対象外は、書状、はがき、盲人用郵便物、印刷物、EMS(書類)だ。内容品の価格が2,500米ドルを超える郵便物は事前申告登録の対象から外れ、関税は米国側で輸入者から徴収される。
事業者への影響
越境ECで米国に発送している事業者にとって、実務上の区分は3つになる。100米ドル以下でも商用の物品なら登録が必要で、100米ドル超2,500米ドル以下は登録のうえ関税を前払いする。2,500米ドル超は登録せず、関税を相手方が負担する。単価の低い商品を多数発送している事業者は、これまで免税扱いで通っていた価格帯がそのまま申告対象になる点を押さえる必要がある。
梱包と送り方にも注意点がある。日本郵便は、書籍、カレンダー、ゲームカードなど米国の税関検査の対象になりうる品目を、印刷物やEMS(書類)として差し出さないよう求めている。小形包装物またはEMS(物品)で送る扱いだ。印刷物の区分で安く送っていた事業者には、送料と区分の見直しが必要になる。郵便以外では、ゆうグローバルエクスプレス(UGX)が引き続き選択肢として案内されている。
当面の確認事項は次のとおりだ。
- 米国向けの出荷フローに、商用か個人間の贈答品かを判定する手順が入っているか
- 認定事業者のアカウント開設と、関税前払いの資金繰りが準備できているか
- 宛名ラベルに申告番号が印字されるか、手書き運用の担当を決めているか
- 印刷物として発送していた商品の区分変更と、新しい送料の商品価格への反映
今後の見通し
書類と少額の贈答品の任意期間は2027年1月19日で終わる。それ以降の扱いはCBPの通達次第で、延長や条件変更の可能性がある。日本郵便の案内も10月14日から10月23日までの9日間で改訂されており、運用は固まっていないとみられる。米国向けの発送量が多い事業者は、日本郵便の案内ページを定期的に確認する体制を置いたほうがよい。
出典
- 日本郵便株式会社「米国宛て郵便物の差出条件変更について」2026年10月23日(PDF) https://files.japanpost.jp/assets/34d9d11432734cfaa759e78fe395b688/d4863623832949fb89402b9f700af456/20261023_03_01.pdf
- ネットショップ担当者フォーラム「【米国向け越境EC】商用商品は100ドル以下でも事前申告が必要に。変更点と影響まとめ」2026年10月26日 https://netshop.impress.co.jp/n/2026/10/26/16923


