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2026年10月25日(日)
EC・店舗集客・検索マーケティングの専門紙
行政・団体

特商法検討会が中間とりまとめ案を提示 定期購入と解約手続に新たな規律へ

消費者庁の検討会は9月2日、特定商取引法の見直しに関する中間とりまとめ案を示した。定期購入の最終確認画面、ダークパターン、複雑な解約手続に規律を設ける方向が並ぶ。EC事業者は申込画面と解約導線の点検を急ぎたい。

特商法検討会が中間とりまとめ案を提示 定期購入と解約手続に新たな規律へ

消費者庁の「デジタル取引・特定商取引法等検討会」は9月2日、第9回会合を開いた。事務局は資料1-1として「中間とりまとめ(案)」を示し、自由討議を行った。案には、定期購入の最終確認画面の表示義務、誤認を招く表示やUIへの規律、過度に複雑な解約手続の違法化など、EC事業者の申込・解約導線に直接かかわる項目が並ぶ。

背景

この検討会は令和8年1月22日に始まり、9月2日の第9回で中間とりまとめ案の段階に入った。特定商取引法の見直しを議論する場である。案は「インターネット取引への対策の強化」「インターネット取引以外の特定商取引への対策の強化」「厳正・円滑な法執行を確保するための方策」などで構成される。

柱の一つが、チャットによる勧誘の規律だ。SNSのメッセージ送信機能などを通じた個別の消費者への働きかけについて、電話勧誘販売と同等の規律を講ずることを基本とすべきだとした。勧誘に先立つ事業者名と勧誘者名の告知、不実告知や事実不告知の禁止、威迫・困惑行為の禁止、拒絶の意思を示した相手への再勧誘の禁止が挙がる。

もう一つが、表示とUIの規律である。支払金額、分量、契約期間などを正確かつ容易に認識できない虚偽・不明瞭な表示やUI、操作の反復や威迫的な文言で消費者を困惑させる手法を、規律の対象として例示した。広告であることが判別しにくい表示の禁止も含まれる。

定期購入については、最終確認画面での支払総額の表示や、取引条件の分離表示の禁止といった表示方法の義務付けを挙げた。注文完了後に遅滞なく電子メール等で消費者に交付する電子書面の義務化も記載されている。解約では、契約手続に比して合理的な理由なく過度に複雑な解約手続を課す行為を、違法行為として規律の対象とすべきだとした。

事業者への影響

第一に、最終確認画面である。支払総額が一目で分かるか。初回価格と2回目以降の価格が、離れた位置に置かれていないか。分離表示の禁止が案に入った以上、条件を画面下部の小さな注記に逃がす設計は通らなくなる可能性がある。

第二に、解約導線だ。申込はフォーム1画面、解約は電話のみという設計は、案の書きぶりに正面から当たる。解約手段を申込と同等の手軽さにそろえる作業は、法改正を待たずに着手できる。

第三に、SNSでの個別接客である。メッセージ機能で購入を促す運用は、電話勧誘販売と同等の規律が及ぶ前提で組み直すことになる。名乗り、断られたあとのアプローチ停止、送信履歴の保存が論点になる。

第四に、モール出店者だ。案には、消費者庁が誇大広告等について行政処分を行った場合に、インターネット取引の基盤提供者へ削除等を要請できる制度が含まれる。要請に応じた基盤提供者を損害賠償責任から免責する記述もある。処分を受けた事業者の出品が、モール側の判断で速やかに落ちる流れができる。

いま着手できる点検は次の3つである。

  • 最終確認画面で、支払総額・分量・契約期間・解約条件が1画面に収まっているか
  • 解約の手段と所要ステップが、申込のそれと釣り合っているか
  • 広告であることが分かりにくい表示や記事風の訴求が残っていないか

今後の見通し

示されたのは案であり、確定した結論ではない。9月2日の議題は事務局からの説明と自由討議だった。案は消費者庁に対し、実務的かつ法技術的な観点から更なる検討を行い、必要な制度整備の実現を早期に図るべきだとしている。法案の提出時期は示されていない。今後、取りまとめの確定を経て制度設計が進むとみられる。もっとも、案に並んだ項目の多くは、現行法の運用でも問題になりうる論点である。制度化を待たずに手を入れておく価値がある。

出典

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