Googleは9月2日、新しいAIモデル「Gemini 3.8 Flash」と「Gemini 3.8 Flash Cyber」を発表した。3.8 Flashは、Google検索のAIモードで利用できる。前モデル「3.7 Flash」の投入から3週間での交代となる。AI検索で自社ページがどう扱われるかは、検索順位よりも短い周期で動く前提に立つ必要がある。
背景
Googleは公式ブログで、3.8 Flashを6週間で3本目のFlash系モデルだと説明している。特徴として、より多くの推論ステップを実行し、ツールを反復的に呼び出す点を挙げている。消費者向けの提供先として、Google検索のAIモードを明記した。
検索への反映は早い。Google検索のプロダクト担当バイスプレジデントであるRobby Stein氏は、X上で3.8 Flashが検索に入ったと投稿した。Search Engine LandとSearch Engine Roundtableは、AIモードのモデル選択メニューから選べる形で、Google AI ProとUltraの加入者に提供が始まったと伝えている。日本語での挙動と、AIによる概要(AI Overviews)に同じモデルが使われるかについて、Googleは公表していない。
EC事業者の関心は、モデルが変わると引用のされ方が変わるかどうかにある。Googleは、AI検索が参照するページの選び方をモデルごとに公表していない。ただ、推論のステップが増えるのであれば、参照されるページの数や種類が変わる可能性はある。
事業者への影響
第一に、計測の頻度である。Search Consoleの生成AIパフォーマンスレポートは8月31日に全世界へ開放された。測る手段が開いた直後に、測る対象が入れ替わったことになる。月1回の確認では変化を捉えきれない。週次で表示回数とページの内訳を記録し、モデル更新の時期と重ねて見る運用に切り替えたい。
第二に、変動の読み方だ。AI検索での表示回数が落ちたとき、原因の候補にモデル更新が加わる。自社サイトの改修、通常の検索アルゴリズムの更新、モデルの交代。この3つを日付で切り分けられるよう、作業ログと合わせて記録を残しておきたい。
第三に、対策の置き方である。3週間で入れ替わる対象に、細かなチューニングを合わせにいくのは割に合わない。商品仕様、価格、在庫状況、送料と配送日数といった事実が、ページ上で機械にも読める形で書かれているか。この土台はモデルが変わっても効き続ける。
第四に、提供対象が有料プランに限られる点だ。対象はGoogle AI ProとUltraの加入者である。無料利用者が見る画面は当面変わらない可能性がある。自社の顧客層で優先度は変わる。
週次で記録しておきたい項目は次の3つである。
- 生成AI機能での表示回数と、表示されているページの上位
- 通常の検索パフォーマンスとの差分
- 自社の改修日と、Googleの発表があった日
今後の見通し
無料プランへの展開時期を、Googleは明らかにしていない。日本語での挙動も確認できていない。Flash系モデルの投入間隔が現在のペースで続くなら、次の更新は数週間内に来る可能性がある。AI検索での露出は、検索順位のように安定した指標にはならない状態が当面続くとみられる。四半期単位の目標をAI検索の表示回数に置くのは、現時点では危うい。
【利益相反の開示】本紙の発行元であるLAMP株式会社は、事業者向けにSEO・MEOおよび検索広告の支援業務を行っており、記事中で言及したGoogleのサービスを業務上利用しています。
出典
- Google「Introducing Gemini 3.8 Flash and 3.8 Flash Cyber」The Keyword(2026年9月2日):https://blog.google/innovation-and-ai/models-and-research/gemini-models/3-8-flash-and-3-8-flash-cyber/
- Search Engine Land「Gemini 3.8 Flash rolling out in Google Search」(2026年9月2日):https://searchengineland.com/gemini-3-8-flash-rolling-out-in-google-search-486630
- Search Engine Roundtable「Google Search AI Mode Using Gemini 3.8 Flash」(2026年9月2日):https://www.seroundtable.com/google-search-ai-mode-gemini-38-42009.html





