ZOZOは9月3日、OMOプラットフォーム「ZOZOMO」の新しいオプション「実店舗の在庫確認・在庫取り置き for 自社EC」を公表した。提供開始は8月26日である。ブランドが自社のECサイト上で、実店舗の在庫状況を表示し、来店前の取り置き予約を受け付けられるようになる。
背景
ZOZOMOは、ZOZOTOWNとブランドの実店舗をつなぐOMOプラットフォームである。「ブランド実店舗の在庫確認・在庫取り置き」は、これまでZOZOTOWN上の商品ページから利用する形が中心だった。今回のオプションは、同等の機能をブランドの自社ECに置けるようにするものだ。
導入は、自社ECの該当箇所に指定のタグを設置し、設定を行う方式である。フォント、配色、ボタンの形状を自社ECのデザインに合わせて調整できる。取り置き注文は、ショップスタッフ向けの接客支援ツール「FAANS」に自動で連携される。対象は、ZOZOMOで既に「ブランド実店舗の在庫確認・在庫取り置き」を利用しているブランドである。
第1号の導入先は、F・O・インターナショナルが運営する子ども服・ベビー服の「F.O.Online Store」である。価格や利用条件はリリースに記載がない。
事業者への影響
店舗を持つ事業者にとって、店舗在庫の情報をどこに置くかは、来店送客の設計そのものである。
これまで選択肢は大きく2つだった。モールの商品ページに載せる方法と、Googleビジネスプロフィールや地図検索の在庫表示に載せる方法である。前者は送客力が強い一方、顧客との接点はモール側に残る。後者は接点が自社に残るが、在庫データの連携を自前で用意する必要がある。
自社ECに店舗在庫と取り置きを置けるようになると、3つ目の選択肢が加わる。検索やSNSから自社ECに来た人を、そのまま店舗の来店予約に変えられる。会員情報も自社に残る。ブランド側から見れば、送客の起点をモールの外に持てることの意味は小さくない。
検討するなら、論点は3つある。
- 在庫データの更新頻度が、来店時の欠品を防げる水準にあるか
- 取り置き後の店舗オペレーションを、誰がどの端末で回すか
- 取り置きの予約数と実際の来店数を、分けて計測する設計になっているか
取り置きは、予約だけが増えて来店が伴わないと、店舗の負担になる。追う指標は予約数ではなく、来店率と店舗での購入である。
同等の仕組みを持たない事業者にも、点検の材料はある。店舗ごとの在庫数と、その更新頻度である。在庫データの精度は、モール、地図検索、自社ECのどの経路を選んでも前提になる。ここが粗いままでは、どの経路に載せても来店時の欠品を招く。
今後の見通し
対象がZOZOMOの既存利用ブランドに限られるため、当面の広がりは同プラットフォームの導入範囲にとどまるとみられる。他のOMO支援サービスやカートシステムが同様の機能を標準で備える動きにつながる可能性はあるが、現時点で確認できる発表はない。
出典
- ZOZO「ZOZOMOで提供する『ブランド実店舗の在庫確認・在庫取り置き』にブランド自社EC向けオプションを追加」プレスリリース(2026年9月3日12時配信):https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000589.000096287.html
- MarkeZine「ZOZOMO、実店舗の在庫確認・取り置き機能のブランド自社EC連携オプションを提供開始」(2026年9月3日):https://markezine.jp/news/detail/77537





