消費者庁は9月4日、インターネット上で販売される健康食品等の表示について、令和8年4月から6月までの監視結果を公表した。健康増進法第65条第1項の規定に違反するおそれのある表示があったとして、117事業者の126商品に改善指導を行った。対象はいわゆる健康食品だけでなく、加工食品や飲料、生鮮食品にも及んでいる。
背景
消費者庁は健康増進法に基づき、インターネット上の表示を四半期ごとに監視している。今回の公表資料によると、監視の期間は令和8年4月から6月である。手法は、一般的な検索エンジンでキーワード検索を行い、検索された商品のサイトを目視で確認するというものだ。
指導の対象になった126商品の内訳は、いわゆる健康食品が95商品、加工食品が23商品、飲料等が5商品、生鮮食品が3商品だった。前期にあたる令和8年1月から3月の公表では、156事業者の176商品が対象で、内訳は健康食品152商品、飲料等19商品、加工食品5商品である。事業者数は39、商品数は50減った。一方で、加工食品は5商品から23商品に増えている。
公表資料には、指導の対象になった表示の例も記載されている。生鮮食品では抗酸化作用や疲労回復、老化防止に触れた文言。加工食品では花粉症への対策や腸内環境の改善をうたう文言。飲料等では動脈硬化や糖尿病の予防に触れた文言。いわゆる健康食品では脂肪燃焼や免疫力の向上を示す文言である。いずれも、疾病名や身体機能への効果に踏み込んだ表現が並ぶ。
事業者への影響
第一に、対象は健康食品に限らない。加工食品が5商品から23商品へ増えた点は見逃せない。一般的な食品を扱うEC事業者も、商品ページで健康への効果をうたえば同じ枠組みに入る。茶やコーヒー、果実加工品なども対象になっている。
第二に、監視は検索エンジン経由の目視である。検索結果に出るページが読まれている。商品ページ本体だけでなく、検索流入を狙って作ったコラムやランディングページも同じ目で見られる前提で点検したい。
第三に、点検の順番だ。次の順序で自社を見直せる。
- 商品ページと広告用ページから、疾病名や身体機能の改善に触れた文言を洗い出す
- 「〜対策」「〜予防」「〜アップ」など、効果を示唆する表現を確認する
- 体験談やレビューの引用に、事業者自身の表示と読める箇所がないかを見る
第四に、届出の範囲である。機能性表示食品や特定保健用食品として届出や許可を得ていても、その内容を超える表示は別の問題になる。届出書の記載と商品ページの文言を突き合わせておきたい。
今後の見通し
消費者庁はこの監視結果を四半期ごとに公表してきた。次回は令和8年7月から9月分になるとみられる。件数が減った理由は資料に記載がない。事業者側の表示改善が進んだためか、監視の対象範囲や手法の違いによるものかは、公表資料からは判断できない。
出典
- 消費者庁「インターネットにおける健康食品等の虚偽・誇大表示に対する改善指導について(令和8年4月〜6月)」2026年9月4日公表:https://www.caa.go.jp/notice/entry/047389
- 同 公表資料(PDF):https://www.caa.go.jp/notice/assets/representation_cms213_260904_01.pdf
- 消費者庁「同(令和8年1月〜3月)」2026年5月14日公表(PDF):https://www.caa.go.jp/notice/assets/representation_cms213_260514_01.pdf
- 消費者庁「健康増進法(誇大表示の禁止)」:https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/extravagant_advertisement/





