Googleは、検索のAIモードで引用元へのリンクがほとんど表示されなくなる事象を不具合と認め、修正を適用した。同社の検索プロダクト担当バイスプレジデントであるRobby Stein氏が9月3日(米国時間)にXで、意図した動作ではないとして修正を予告し、翌4日の朝には引用の表示が戻ったと複数の検索業界紙が伝えている。AI検索での露出が、モデル側の実装によって一晩で動くことを示す出来事である。
背景
GoogleはAIモードの基盤モデルをGemini 3.8 Flashへ切り替えた。本紙は9月3日付でこの交代を報じている。切り替えの直後から、SEO関係者のGagan Ghotra氏とGlenn Gabe氏が、AIモードの回答に引用元のリンクがほとんど付かない事例をXで指摘した。影響を受けたのはGoogle AI ProとUltraの利用者で、購入検討の入口にあたる幅広いクエリで起きていたと報じられている。
指摘を受けて、Robby Stein氏はXで、意図した動作ではなく間もなく修正を展開する旨を投稿した。翌朝には同じ条件でリンクが通常どおり表示されるようになったと業界紙が報じている。Googleは検索ステータスダッシュボードなどでの個別の告知は出していない。
タイミングも押さえておきたい。Search Consoleの生成AIパフォーマンスレポートが全世界のサイトに開放されたのは8月31日である。AI検索での表示回数を測る手段が開いた直後に、測られる側の挙動が一晩で変わった形になる。
事業者への影響
第一に、単日の数字で判断しない。生成AIパフォーマンスレポートの表示回数が急に落ちた日があっても、自社のコンテンツが原因とは限らない。今回のように、基盤モデルの入れ替えと不具合が重なることがある。
第二に、日次で記録を残す。レポートは期間を指定して見るものだが、日別の表示回数を手元に書き出して保存しておくと、後から異常の起点を特定できる。同レポートの日付が太平洋時間で集計される点も、国内の日付と突き合わせるときに効いてくる。
第三に、施策の効果測定には期間をとる。構造化データや見出しを整えた翌週に数字が動いても、その週にモデルが変わっていれば切り分けられない。判断の材料としては、少なくとも数週間の幅で見る運用が現実的である。
第四に、AI検索を単独のチャネルとして扱わない。引用が出るかどうかは、事業者側で制御できない要素に左右される。当面は次の姿勢が妥当とみられる。
- AI検索の表示回数は、順位と同じ精度の指標として扱わない
- 急変を見つけたら、まず社外で同じ事象が観測されていないかを確認する
- 検索、モール、メール、店舗を含めた全体で流入を設計しておく
今後の見通し
Googleは不具合の原因も影響範囲も公表していない。同種の事象が再発するかは分からない。基盤モデルの交代が短い間隔で続くのであれば、AI検索での露出は検索順位よりも変動の大きい指標として扱うことになる可能性がある。日本語環境で同じ事象が起きていたかどうかも、現時点では確認できていない。
出典
- Robby Stein氏(Google 検索プロダクト担当VP)のX投稿:https://x.com/rmstein/status/2095664601023361501
- Search Engine Land「Google to fix citation bug with Gemini 3.8 Flash in AI Mode」2026年9月3日:https://searchengineland.com/google-to-fix-citation-bug-with-gemini-3-8-flash-in-ai-mode-486892
- Search Engine Roundtable「Google AI Mode Gemini 3.8 Flash Not Link Friendly」2026年9月3日:https://www.seroundtable.com/google-ai-mode-gemini-38-no-links-42011.html
- Google「生成 AI パフォーマンス レポート(検索)」Search Console ヘルプ:https://support.google.com/webmasters/answer/16984139?hl=ja





