Googleは米国時間10月15日(日本時間10月16日)、検索とGeminiアプリから使える統合カート「Universal Cart」を米国で公開した。複数の小売店の商品を1つのカートに保存し、Google Payでまとめて決済できる。決済は同社が進める共通規格「Universal Commerce Protocol(UCP)」が支える。
背景
Googleは検索の中で購入の手前まで完結させる機能を積み上げてきた。Universal Cartはその集約点にあたる。同社の説明では、検索やGeminiで保存した商品はカートに残り、後から続きを再開できる。価格が下がったときや在庫が戻ったときの通知は、600億件を超える商品リスティングを持つShopping Graphを参照する。
決済はGoogle Walletを基盤とし、カード特典に応じた支払い方法の提案や、利用できるプロモコードの表示にも対応する。対応店舗ではGoogle Payで決済でき、それ以外の店舗では各店舗のカートへ商品を引き継ぐ。Googleは、販売者はあくまで各店舗であり、注文確認とカスタマーサポートも店舗側が担うと明記している。
公開時点で名前が挙がったのは、Nike、Sephora、Target、Ulta Beauty、Walmart、Wayfairの6社と「多数のShopify店舗」である。提供地域は米国に限られる。
事業者への影響
日本では使えないため、明日の売上が動く話ではない。それでも構造の変化として押さえる価値がある。
第1に、カートが検索側に移ると、自社サイトのカート画面で行ってきた施策の効きどころが変わる。クーポンの出し方、ついで買いの導線、カゴ落ちメールはいずれも「自社のカートに入れてもらう」ことを前提にしている。Googleのカート内でプロモコードが提示されるなら、クーポンはサイトに来てから見せるものではなくなる。
第2に、価格と在庫の通知がプラットフォーム側から飛ぶ。値下げが即座に買い手へ伝わる前提で、価格改定の計画を立てる必要が出てくる。
第3に、対応店舗の選び方である。今回はShopify利用店舗がまとめて対象に含まれた。カートシステムの選定が、将来の露出の可否に直結しうることを示している。
国内展開の有無にかかわらず、商品データの整備が露出条件になる点は変わらない。価格と在庫の鮮度、商品識別子、画像の3点は、いま手をつけても無駄にならない。
今後の見通し
日本への提供時期は公表されていない。UCPの仕様がどこまで外部に開かれるかも現時点では示されておらず、対応にあたって事業者側に何が求められるかは不明である。米国のホリデー商戦が最初の検証機会になるとみられ、その結果次第で他地域への展開が判断される可能性がある。
出典
- Google「Universal Cart: your new hub for shopping on Google」2026年10月15日 https://blog.google/products-and-platforms/products/shopping/universal-cart-launch/
- Search Engine Roundtable「Universal Cart Launches In Google Search (U.S.)」2026年10月15日 https://www.seroundtable.com/universal-cart-google-search-42312.html


