Googleの「AIによる概要」(AI Overviews)が検索全体の8割超に表示されているとの集計が、米国時間2026年10月26日(日本時間10月26日夜)に検索業界メディアで取り上げられた。Semrushは商用キーワードでの出現率を88%とし、SE Rankingは米国のブランド名検索の82.5%でAIによる概要が出たと報告している。引用されるURLの多くは同じ検索の自然検索上位10位に入っておらず、順位だけを追う運用では露出を把握できなくなっている。
背景
Semrushが2026年10月21日に公開した調査は、米国デスクトップの商用キーワード400語を2025年9月から2026年8月まで毎月追跡したものだ。キーワード数で重み付けした出現率は45.75%から88%へ上昇し、検索ボリュームで重み付けすると97.08%に達する。EC分野の伸びが最も大きく、32.62%から85.11%へ移った。
SE Rankingが2026年10月22日に公開した調査は、2026年10月にデスクトップで取得したデータを使う。米国とドイツのブランド名キーワード各1,000語を17業種にわたって3回ずつ計測し、米国の平均出現率は82.5%、ドイツは40.4%だった。
検索業界サイトSearch Engine Roundtableは、これらに加えてseoClarityが62%超という数値を示したと伝えている。ただし同社の一次資料は公開されておらず、業種で55〜84%という幅も同サイト経由の伝聞にとどまる。
事業者への影響
SE Rankingの調査で実務に直結するのは、引用元の内訳だ。米国のAIによる概要が引用したブランド自社サイトのURLのうち、62.2%は同じ検索の自然検索上位10位に入っていなかった。ドメイン単位では98.3%が重なるため、自社ドメインは引用されていても、引用されたページは順位計測の対象外という状態が起きる。引用されたページの構成も変わった。自然検索上位10位ではブランド自社URLの71.1%がトップページだったのに対し、AIによる概要では36.8%まで下がり、商品・サービス・カテゴリーページが22.9%、会社情報ページが11.7%へ増えている。
店舗を持つ事業者には別の論点がある。米国の引用元のうち40.5%がブランド自身の管理下にある情報源で、内訳は自社サイト33.8%、アプリストア4%、Googleビジネスプロフィール2.7%だった。ドイツではブランド管理の情報源が50.9%、Googleビジネスプロフィールが6.4%に達する。ビジネスプロフィールの記載は、地図検索のためだけの作業ではなくなりつつある。
優先度が高いのは次の3点だ。
- 自社ブランド名で検索し、AIによる概要の有無と引用URLを記録する
- 商品・カテゴリー・会社情報の各ページに、単独で読んで意味が通る説明文を置く
- Googleビジネスプロフィールの事業内容・営業時間・属性を自社サイトの記載と合わせる
今後の見通し
いずれの調査も米国とドイツが対象で、日本の出現率を示すものではない。ドイツが米国の半分以下だったことからも、国ごとの差は大きいとみられる。日本国内の数値は国内調査の公表を待つ必要がある。一方で、引用の基準が順位と一致しない構造は言語をまたいで働く可能性がある。順位の上下だけを指標にしている事業者は、引用されたURLを別の指標として並べて見る運用への切り替えを検討する段階に入ったといえる。
出典
- Semrush「AI Overviews have nearly doubled across five commercial search modifiers」2026年10月21日 https://www.semrush.com/blog/ai-overviews-commercial-modifiers-study/
- SE Ranking(SE Visible)「AI Overviews on branded searches」2026年10月22日 https://visible.seranking.com/blog/ai-overviews-branded-searches/
- Search Engine Roundtable「Over 80% Of Google Searches Have AI Overviews & Growing」米国時間2026年10月26日 https://www.seroundtable.com/over-80-of-google-searches-have-ai-overviews-42372.html


