楽天グループが9月4日、Z世代における生成AIの利用実態に関する調査結果を公表した。商品やサービスの検討・購入時に生成AIを利用する人は54.3%で、半数を超えた。使いどころとして最も多かったのは「比較検討する商品を絞るとき」の44.4%である。一方、商品を調べるときに最も信頼する情報源は「検索エンジン」が42.1%で最多だった。
背景
調査は楽天グループが実施した。対象は同社の「楽天学割」会員のうち15歳から25歳で、有効回答は637サンプルである。調査期間は2026年7月1日から8月3日、方法はインターネット調査だった。
生成AIの利用頻度では、「ほぼ毎日」が38.0%だった。用途は「勉強・学習」が62.6%で最も多く、「趣味に関する情報検索」が47.0%、「アドバイス・相談」が30.9%と続く。勉強に関する生成AIの情報を信頼すると答えた人は48.5%で、内訳は「非常に信頼している」が7.8%、「やや信頼している」が40.7%である。
購買の場面に絞ると、生成AIを利用する人は54.3%。用途は「比較検討する商品を絞るとき」が44.4%、「欲しい商品やサービスを見つけるとき」が27.8%だった。ECサービスを利用する前に生成AIで商品情報を集めると答えた人は30.6%である。
企業側への視線も聞いている。AIを取り入れている企業に好印象を持つ人は31.7%、そうした企業を「革新的」と捉える人は43.6%だった。
事業者への影響
第一に、生成AIが入り込むのは検討の中盤である。最多の用途が「比較検討する商品を絞るとき」だった点は、商品を知る段階でも購入を決める段階でもなく、候補を減らす段階でAIが使われていることを示す。候補から落ちない情報の出し方が問われる。サイズや素材、対応機種、保証期間といった、比較に使われる属性が商品ページに揃っているかを点検したい。
第二に、検索対策を減らす理由にはならない。最も信頼する情報源は検索エンジンで42.1%だった。生成AIの利用が広がっても、信頼の置きどころは検索に残っている。AI検索への対応は、既存の検索対策の置き換えではなく、上乗せとして設計するのが妥当とみられる。
第三に、ECサイトに来る前の接点である。ECを利用する前に生成AIで情報を集める人が30.6%いる。自社サイトの計測だけでは、この段階の行動は見えない。購入時アンケートに「今回の商品をどこで知ったか」「生成AIで調べたか」を加えると、実態に近づける。
第四に、調査の母集団に注意したい。回答者は楽天学割の会員であり、日本のZ世代全体の縮図ではない。次のように読むのが安全である。
- 数値をそのまま自社の顧客に当てはめない
- 項目間の大小関係や順位を、傾向として参考にする
- 自社の顧客層で同じ設問を聞き、差分を見る
今後の見通し
調査は2026年7月から8月にかけて行われた。生成AIの機能や利用環境は短い間隔で変わっており、同じ設問でも時期によって結果が動く可能性がある。楽天グループが同種の調査を継続するかどうかは公表されていない。年代を広げた調査や、実際の購買データとの突き合わせが出てくれば、より確度の高い判断材料になるとみられる。
出典
- 楽天グループ「楽天、Z世代における『生成AI利用に関する調査』結果を発表」2026年9月4日:https://corp.rakuten.co.jp/news/press/2026/0904_01.html
- ネットショップ担当者フォーラム「Z世代、商品購入で生成AIは『比較検討する商品を絞るとき』に44%が利用」2026年9月7日:https://netshop.impress.co.jp/n/2026/09/07/16688





