Googleの検索プロダクト担当バイスプレジデント、ロビー・スタイン氏は9月28日、検索の「AIモード」で情報を継続的に監視する機能を全世界の利用者に開放すると、Xへの投稿で示した。これまで有料プランのUltraとProの会員が使ってきた機能を、無料の利用者まで広げる。提供はGoogleアプリを通じて進んでいる。
背景
この機能は、利用者が監視したい対象を言葉で指示すると、検索が継続的に変化を追い、更新があれば知らせる仕組みである。スタイン氏の投稿によれば、監視の対象はサイトやフォーラム、ソーシャルへの投稿といったウェブ上の情報に加え、実時間のデータと、Googleが持つ600億点を超える商品データベース「Shopping Graph」に及ぶ。
Search Engine Journalによると、この機能は2026年5月のGoogle I/Oで示され、6月にUltraの会員向けに提供が始まった。今回の開放で、対象は無料の利用者を含む全利用者に広がる。
スタイン氏が挙げた用途例は、近所に新しくできた飲食店やポップアップ、子ども向けの地域の催し、そして商品の再入荷と値下げだった。買い物と店舗に寄った例が並んでいる点は、この機能がどこを狙っているかを示している。
事業者への影響
影響は2つの方向に出る。
1つは、通知の主導権である。再入荷の連絡と値下げの知らせは、これまで自社ECの会員機能やメール、LINEが担ってきた。検索側が同じ役割を持つと、利用者は自社の会員登録を経ずに再入荷を知る。会員を増やす理由として「再入荷通知」を掲げてきた事業者は、訴求の組み替えを考えたい。会員だから得られる情報は何か、という問いに戻る。
もう1つは、商品データの鮮度である。監視の対象にShopping Graphが含まれるなら、在庫状況と価格の更新が遅れた商品は、監視の結果に正しく反映されない。フィードの更新頻度は、これまで広告と無料リスティングの表示のために整えてきた。ここに「監視されたときに正しい状態か」という論点が加わる。
点検する項目は3つに絞れる。
- 在庫ステータスと価格の更新頻度が、日次より粗くなっていないか
- 再入荷通知・値下げ通知を、会員獲得の主な訴求にしていないか
- 店舗の新規開店や催しの情報を、Googleビジネスプロフィールに載せているか
店舗を持つ事業者には、別の含意がある。「近所の新しい店」が監視の対象になるなら、開店やポップアップの情報がGoogle側で拾える状態にあるかが問われる。プロフィールの開店日、営業時間、投稿の更新は、監視の入口になり得る。
ただし、注意すべき点がある。監視の結果に情報源へのリンクが付くのか、どの頻度でサイトが示されるのかは、今回の説明に含まれていない。露出が増えても訪問が増えるとは限らない。流入の見込みを立てる段階にはない。
今後の見通し
「全世界」とされているが、日本での提供状況と日本語での挙動について、Googleは個別に説明していない。順次広がるとみられるが、確定した情報はない。
情報源の扱いも、今後の仕様で変わる可能性がある。監視の結果にリンクが付く形になれば、AI検索での引用対策と同じ論点に収まる。付かないままなら、商品データの正確さが露出の条件になる。どちらに寄るかは現時点で判断できない。
出典
- Robby Stein(Google 検索プロダクト担当バイスプレジデント)Xへの投稿(2026年9月28日):https://x.com/rmstein/status/2104720139971404016
- Search Engine Journal「Google Rolls Out AI Mode Info Monitoring To All Users Globally」:https://www.searchenginejournal.com/google-ai-mode-info-monitoring-global-rollout/591312/
- Search Engine Roundtable「Google Globally Rolls Out Monitoring Capabilities In AI Mode」(2026年9月29日):https://www.seroundtable.com/google-ai-mode-monitoring-capabilities-42179.html





