消費者庁の堀井長官は8月27日の記者会見で、機能性表示食品制度の改正が9月1日に完全施行されることについて説明した。錠剤・カプセル剤等の食品に対するGMPの要件化と、容器包装の表示方法の見直しが対象となる。いずれも「9月1日以降に製造されたもの」に適用される。会見要旨は消費者庁のサイトで公開されている。
背景
今回の制度改正は、2024年に起きた紅麹関連製品による健康被害を受けたものだ。食品表示基準が改正され、段階的に施行されてきた。9月1日に完全施行を迎えるのが、以下の2点である。
1点目は表示方法の見直しである。「機能性表示食品」である旨を容器包装の上部に枠で囲んで表示し、その近接した部分に届出番号を入れる。購入者が届出番号を手がかりに、届出データベースで詳細を確認できるようにする狙いがある。
2点目はGMPである。錠剤、カプセル剤などの形状をした食品について、GMPに基づく製造管理が要件となる。消費者庁は製造施設への訪問確認を進めてきた。長官は会見で、74件という数字は「昨年度末、3月末時点での確認結果をこの7月に公表した数字」だと説明している。そのうえで、8月末までに製品の製造が行われず、製造記録の確認までできていない施設が一部あるとし、9月以降も引き続きフォローアップする考えを示した。
事業者への影響
第一に、線引きが製造日である点だ。長官は表示についても「9月1日以降製造されたもの」が対象だと述べ、しばらくの間は8月31日までに製造された従来表示の商品と、9月以降に製造された新表示の商品が混在する可能性に言及した。在庫を抱える事業者には、商品ページの画像と手元の在庫がずれる期間が生じる。画像を一斉に差し替えると、届いた実物と違うという指摘を受けかねない。ロット単位で製造日を把握し、切り替えの時期を決めたい。
第二に、届出番号の扱いである。容器包装で枠囲みの近くに届出番号が置かれる以上、購入者はその番号を手がかりに調べる。商品ページ側にも届出番号を記載しておけば、問い合わせの手間は減る。定期購入で複数のロットが混ざる場合は、同梱物での案内も検討したい。
第三に、仕入先の確認だ。長官は、9月1日以降に製造されたものでGMPの遵守が疑わしい、あるいは遵守されていないと判明した場合、「機能性表示食品としての要件を満たしていないもの」になると述べた。自社で製造していない事業者でも、扱う商品が要件を外れれば、表示の是正や販売の停止に直面する。製造所がGMPの要件を満たしているかどうか、仕入先に文書で確認しておく価値がある。
今後の見通し
消費者庁はGMPの自己点検指針を近日中に公表する意向を示している。公表されれば、届出者が自ら点検する際の基準になるとみられる。製造記録の確認が終わっていない施設のフォローアップは9月以降も続く見通しで、確認の結果によっては個別の対応が取られる可能性がある。要件を満たさない商品が見つかった場合に、販売側にどこまで対応が求められるかは、事例が出るまで見通せない。
出典
- 消費者庁「堀井長官記者会見要旨(8月27日)」(2026年8月27日14:00〜14:31会見)https://www.caa.go.jp/notice/statement/horii/047350.html
- 消費者庁「機能性表示食品について」(届出データベース・制度解説)https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/foods_with_function_claims/





