Googleの検索結果に出る「他の人はこちらも質問(People Also Ask、PAA)」で、回答のほとんどがGoogleのAIによる生成に置き換わっている。SEOツールAlsoAskedの創業者マーク・ウィリアムズクック氏の調査によると、2026年のクエリ約2000万件(英語)を対象とした集計で、9月上旬時点の生成比率は97%に達した。8月時点は86%だった。Search Engine Roundtableが9月9日に報じた。
背景
PAAは、検索結果の途中に折りたたみ式で並ぶ関連質問の枠である。従来は、質問をクリックすると外部サイトの本文の一部が展開され、出典としてリンクが添えられていた。順位が10位前後のページでも露出を拾えるため、SEOの現場では下位ページの数少ない導線として扱われてきた。
変化の起点は2025年にさかのぼる。Search Engine Landは2025年7月7日、同じウィリアムズクック氏による英語PAA約840万件の分析として、AI生成の回答が12.6%を占めると報じた。当時、氏はこれを「既存のコンテンツで意図が満たされない場合」の補完と説明していた。それが1年2か月で97%になった。補完ではなく、既定の表示形式に変わったと読むのが自然だ。
PAA枠そのものは消えていない。Advanced Web Rankingの計測では、市場によって差はあるものの、検索結果の50〜70%にPAAが出現する。枠は残ったまま、中身の作り手が入れ替わった構図である。
事業者への影響
実務で最初に確認したいのは、流入の内訳だ。PAA経由の流入はSearch Consoleで独立した指標として取れないため、検索順位のわりにクリック率が低いクエリ群を洗い出すのが実際的な手立てになる。商品の使い方、素材、サイズ選び、返品条件といった「調べもの」系のクエリは、PAAが出やすい領域と重なる。ここでクリック率が落ちているなら、枠の変化を疑う余地がある。
次に、コンテンツの役割分担を見直したい。一問一答型の短いQ&Aページを量産する施策は、AIが同じ答えを枠内で完結させる以上、投資対効果が落ちる可能性が高い。一方で、AI生成の回答には引用元へのリンクが添えられる形式もあり、引用される側に回れば露出は残る。答えを載せることと、答えの根拠になる情報を持つことは別だという整理が要る。
EC事業者にとって強みになるのは、AIが自前で書けない情報だ。実測値、自社の検査結果、購入者のレビュー、在庫や納期といった一次データがそれにあたる。構造化データで属性を明示し、商品ページに数値の根拠を置く作業は、AI検索への露出対策としても意味を持つ。
なお、この調査は英語クエリを対象としている。日本語検索でも同じ比率とは限らない。まずは主要キーワードで実際の検索結果を目視し、自社領域でどうなっているかを確かめるところから始めたい。
今後の見通し
8月の86%から9月上旬の97%という動き方を見ると、100%に近づくのは時間の問題とみられる。ただし、Googleはこの変更について公式に告知していない。比率は今後も上下する可能性があり、単月の数値で施策を大きく振るのは避けたい。本紙としては、日本語検索でのPAAの状況を独自に確認したうえで、続報を出す予定である。
出典
- Search Engine Roundtable「Almost 100% Of People Also Ask Results Are Answered By Google AI Overviews」2026年9月9日 https://www.seroundtable.com/ppa-ai-overviews-google-42047.html
- Search Engine Land「Google generates nearly 13% of People Also Ask answers: Data」2025年7月7日 https://searchengineland.com/google-generates-people-also-ask-answers-data-458165
- Advanced Web Ranking「From People Also Ask to AI Search — Reading the Signals That Matter」2025年8月25日 https://www.advancedwebranking.com/blog/from-people-also-ask-to-ai-search





