Googleが、サイトの評判の不正使用ポリシーにもとづく手動対策の運用を、欧州経済領域(EEA)で変更する。8月30日以降、EEAの利用者に表示される検索結果では、手動対策が順位に反映されなくなる。欧州委員会の調査を受けた措置とされる。日本を含むEEA外では、従来どおり執行が続く。米検索業界紙のSearch Engine LandとSearch Engine Roundtableが、8月28日(米国時間)に報じた。

背景
サイトの評判の不正使用は、いわゆる「パラサイトSEO」を指す。評価の高いドメインの一部を第三者に貸し出し、そのドメインが積み上げた信用を借りて上位表示を狙う手法である。Googleはこれをポリシー違反と位置づけ、該当するページ群に手動対策を適用してきた。
今回の変更は、欧州委員会による調査を受けたものだ。Search Engine Landによれば、同委員会はこのポリシーの運用に懸念を示し、Googleに執行方法の調整を求めた。Googleは声明で、欧州の利用者もパラサイトSEOに不満を持っている点は変わらないとしたうえで、ポリシー自体は維持すると説明している。
変更後も、手動対策そのものは発行され、Search Consoleにも表示される。EEAの利用者向けの検索結果で順位に反映されなくなる、という限定的な措置である。スパムに対応する自動システムは、欧州でも従来どおり動くとされる。
事業者への影響
第一に、日本国内向けにサイトを運営する事業者にとって、直接の変更はない。日本はEEAに含まれない。自社ドメインの一部を外部に貸し出す形の運用は、これまでと同じリスクを負い続ける。「欧州で緩和された」という見出しだけを読んで、方針を緩める判断をしないことが重要だ。
第二に、越境ECと多言語サイトである。EEA域内の利用者から検索流入を得ているサイトは、同じサイトでも地域によって扱いが分かれる。8月30日以降、欧州向けの流入だけが動く可能性がある。国別のトラフィックを分けて見ていないと、変動の原因を取り違える。Search Consoleの国別レポートで、EEA各国とそれ以外を分けて記録しておきたい。
第三に、自社メディアの外部委託である。タイアップ記事、アフィリエイト目的の比較コンテンツ、外部事業者に運用を任せているサブディレクトリは、いずれもこのポリシーの検討対象になりうる。運用の主体が誰か、編集の管理が実際に及んでいるかを、契約と実態の両面で確認しておく価値がある。
今後の見通し
Googleはポリシー自体を撤回するとは述べていない。EEAでの措置が他の地域に広がるかどうかも示されていない。規制当局の関与によって検索の運用が地域ごとに分かれる流れが、他のポリシーにも及ぶ可能性はある。日本国内の規制動向との関係について、現時点で確認できる情報はない。EEA向けの検索順位が実際にどう動くかは、8月30日以降のデータを見なければ判断できない。
出典
- Google 検索セントラル ブログ「Update to the Site Reputation Policy」(2026年8月)https://developers.google.com/search/blog/2026/08/update-site-reputation-policy
- Search Engine Land「Google won’t respect manual actions for site reputation abuse in European Economic Area」(2026年8月28日)https://searchengineland.com/google-wont-respect-manual-actions-for-site-reputation-abuse-in-european-economic-area-486055
- Search Engine Roundtable「Google Won’t Enforce Its Site Reputation Policy In The European Economic Area」(2026年8月28日)https://www.seroundtable.com/google-site-reputation-policy-eea-41968.html





