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D-SHOGYO
2026年10月25日(日)
EC・店舗集客・検索マーケティングの専門紙
EC・通販

Googleがエージェント決済を拡張 カートを加盟店サイトへ移す機能が米国で先行へ

Googleは9月16日、年末商戦に向けた買い物機能の更新を公式ブログで公表した。AI上の決済で組まれたカートを加盟店サイトへ引き継ぐ機能を、米国から順次提供する。日本は対象外だが、商品データの整備は先に進められる。

Googleがエージェント決済を拡張 カートを加盟店サイトへ移す機能が米国で先行へ

Googleは9月16日、年末商戦に向けた買い物関連機能の更新を公式ブログで公表した。中心はAIを介した購入手続きの拡張である。Universal Commerce Protocol(UCP)を使って決済に対応している加盟店は、AI上で組まれたカートを自社サイトへ引き継げるようになる。提供は米国から順次で、オーストラリアとカナダは2027年初頭とされる。

背景

UCPは、AIが買い物の手続きを代行する仕組みを支える通信の取り決めである。Googleはこれを使い、AIの回答面から購入手続きまでを続けて行える形を整えてきた。今回の更新で加わるのは、カートの移管とチェックアウトの流れを試す機能である。分析機能は後日提供するとしている。

商品データ側の追加もある。動画リンクの属性は、買い物ができる広告の形式に自動で使われる。会話型の属性は、商品の説明に文脈を足すものだ。ロイヤルティ関連のデータを連携すると、会員向けの価格や特典をGoogle上で示せるようになる。

Googleは効果についても数字を挙げている。lululemonでの検証では、会話型の属性がAIモードの関連商品の提案に50%の割合で取り込まれたという。また、Merchant Centerのフィードの基本的な作法を採り入れた加盟店では、翌月のコンバージョンが平均5%増えたとしている。いずれもGoogleが示した値であり、第三者による検証は確認できていない。

あわせて、AIパフォーマンスインサイトがオーストラリア、カナダ、インド、ニュージーランド、米国で一般提供に移った。本紙が9月4日に対象国の拡大として報じた機能が、正式な提供に進んだ形である。日本は引き続き対象に含まれていない。

事業者への影響

日本の事業者はこの機能をまだ使えない。それでも読み取るべき点が2つある。

1つは、購入手続きの順序が変わることだ。これまでは、検索で見つけ、サイトに来て、カートに入れる流れだった。カートの移管が広がると、AIの回答面で商品が選ばれ、カートが組まれた状態で自社サイトに着地する。着地した人はすでに買う商品を決めている。会員登録の案内、クーポンの適用、同梱の提案をどこに置くかという設計は、この順序を前提に組み直す必要が出てくる。

もう1つは、商品データである。会話型の属性も、動画リンクも、ロイヤルティの連携も、元をたどれば自社が持つ商品情報だ。日本語のフィードでも、色や素材、用途の記述が欠けている状態は同じように起きる。Googleが属性を機能の前提に据えたという事実は、AI面での商品理解が属性データに依存していることを示している。日本での提供開始を待つ理由にはならない。

着手できる作業は次の3つである。

  • 商品フィードの属性の欠落を洗い出し、色・素材・サイズ・用途を埋める
  • 商品ページに、想定される質問へ答える形の説明文を用意する
  • カートに商品が入った状態で着地した場合を想定し、カートページの離脱要因を点検する

なお、Googleが示した50%や5%という数字は、同社の検証と集計に基づくものである。自社で同じ結果が出ると考えるべきではない。社内で投資判断の根拠に使う場合は、出どころを明示したうえで扱いたい。

今後の見通し

日本での提供時期について、Googleは公表していない。英語圏から順に広げる形が続くとみられるが、確定した情報はない。

カート移管が実際に使われるかどうかは、加盟店側のカートシステムと決済事業者の対応に左右される可能性がある。国内のカートベンダーがUCPへの対応方針を示すかどうかが、当面の観察点になる。

出典

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