日本郵便は9月15日、国際郵便サービスの一部を変更すると発表した。書類を内容とする通常郵便物、つまり書状と印刷物について、大きさと重さの基準を改める。実施は2027年1月1日である。万国郵便条約の改正に伴う対応だ。
背景
変更の理由は、万国郵便条約の改正である。日本郵便が単独で決めた料金や運用の見直しではない。条約に基づく国際的な基準の統一であり、事業者の側に交渉の余地はない。
重量の基準は大きく下がる。これまでは書状が2kg以下、印刷物が5kg以下だった。2027年1月1日からは、いずれも一律で1kg以下になる。印刷物については上限が5分の1になる計算だ。
大きさの基準も新たに定まる。巻物状のもの以外は、長さ38.1cm、幅30.5cm、厚さ3cmが最大となる。巻物状のものは長さ90cm、長さと直径の2倍の合計が104cmまでである。最小の基準は変わらない。
同じ発表で、米軍関係郵便物のうち書留小形包装物と受取通知の取り扱いを終了することも示された。
事業者への影響
影響が出るのは、海外へ書類を送っている事業者である。越境ECでは、商品そのものより先に書類が動く場面が多い。取扱説明書、保証書、カタログ、パンフレット、契約書類、サンプル帳のたぐいだ。
とくに印刷物の上限が5kgから1kgに下がる点は重い。カタログを複数冊まとめて送る運用、厚みのある製品資料を送る運用は、通常郵便物では成り立たなくなる。厚さ3cmという制限も効く。封筒に詰めて厚みが出る送り方は、重さが1kg以内でも上限に触れる可能性がある。
上限を超える場合は、小形包装物などに切り替えることになる。切り替えで変わるのは料金だけではない。内容品の申告や税関告知書の扱いが変わる。発送作業の手順と、社内の誰が書類を作るかまで含めて見直しが必要になる。
準備は次の順で進めたい。
- 海外へ送っている書類を品目ごとに洗い出し、厚さと重量を実測する
- 上限を超える品目について、代替手段と料金差を試算する
- 海外の取引先や顧客への案内文、サイト上の送料表記を書き換える
実施までは1年以上ある。ただし切り替えの時期は年始で、年末商戦の直後にあたる。作業が後回しになりやすい時期でもある。実測と試算は、繁忙期に入る前に済ませておきたい。
今後の見通し
条約の改正に基づく変更であるため、他国の郵便事業者でも同様の基準が適用されるとみられる。海外から日本へ書類を送ってもらう場合にも、同じ制約がかかる可能性がある。
料金の改定が併せて行われるかどうかは、今回の発表では示されていない。小形包装物の上限や料金体系についても、今回の対象外である。代替手段を検討する際は、最新の料金表を個別に確認したい。
出典
- 日本郵便「国際郵便サービスの一部変更」(2026年9月15日):https://www.post.japanpost.jp/newsrelease/pressrelease/416418769078.html
- 日本郵便 同発表のPDF:https://files.japanpost.jp/assets/34d9d11432734cfaa759e78fe395b688/99fe6d1b46bc42c09f6a41608efd4a25/20260915_01_01.pdf
- ネットショップ担当者フォーラム「日本郵便、国際郵便サービスの取り扱いを一部変更。厚さ3cm・1kg上限、EC事業者が知っておくべき書類・カタログ発送の注意点」(2026年9月16日):https://netshop.impress.co.jp/n/2026/09/16/16752





