GMOペパボは8月24日、ECサイト構築サービス「カラーミーショップ byGMOペパボ」向けの無料アプリ「カラーミーAI集客アナリティクス」の提供を始めた。ChatGPTとGemini経由の流入と購入を可視化する「AI流入レポート」と、生成AIが参照しやすい形式のファイルを作成・公開する「llms.txt設定」の2機能で構成する。
背景
同社は、2026年2月から3月にかけてAI経由と判別できたショップへの流入が、前年同期と比べて6倍以上に増えたと説明する。2025年2月1日〜3月31日と2026年同期間のセッション数を比較した数値だ。
一般的なアクセス解析では、生成AIからの遷移は参照元が分散し、他の流入と混ざりやすい。「AI経由が増えているらしい」という感触はあっても、それが売上にどう効いているかを切り分けられない状態が続いてきた。今回の機能は、その計測上の空白を埋めるものと位置づけられる。
もう一方のllms.txtは、サイトの構造や主要ページを生成AI向けに記述するテキストファイルである。仕様は業界標準として確立しておらず、各AIサービスがどこまで参照するかも公表されていない。それでもカートの標準機能として実装された点は、AI検索対策が一部の専門事業者の領域から、一般の店舗運営者が自分で触る作業へと移りつつあることを示している。
事業者への影響
第一に、計測の前提が変わる。アプリではセッション数、購入数、購入率を、直近7日・30日・90日の期間別に確認できる。購入率まで見られる点が重要だ。AI経由の訪問者が既存の検索流入と比べて買いやすいのか、そうでないのかによって、打つべき施策が変わる。購入率が高いなら露出を増やす方向、低いなら着地ページの内容を見直す方向、という判断ができる。
第二に、対象プランの確認である。利用できるのはレギュラー、ラージ、プラチナ、プレミアムの各プランで、フリー、エコノミー、スモールは対象外とされる。下位プランを使う事業者は、計測のためにプラン変更が見合うかを検討することになる。まずは自社の月商規模と、AI経由流入が意思決定に与える影響の大きさを見比べたい。
第三に、他社カートへの波及である。AI流入の計測とllms.txtの生成は、技術的な難度がとくに高い機能ではない。他のカートやモールが同種の機能を実装すれば、AI検索経由の数値が事業者間で比較可能になり、施策の巧拙が見えやすくなる。自社カートのロードマップを確認しておく価値はある。
今後の見通し
計測対象は現時点でChatGPTとGeminiに限られる。他のAI検索サービスや、Google検索のAI Overviews経由の流入をどう扱うかは公表されていない。llms.txtの効果についても、AI側の参照仕様が非公開である以上、設置すれば引用が増えると言い切れる段階にはない。当面は自社の流入構成を測り、変化の有無を確かめるところから始めるのが現実的とみられる。
出典
- GMOペパボ株式会社「ChatGPT・Gemini 経由の流入・購入を可視化する無料アプリ『カラーミーAI集客アナリティクス』を「カラーミーショップ byGMOペパボ」が提供開始」(2026年8月24日)https://pepabo.com/news/press/202608241400
- GMOインターネットグループ株式会社(同内容のグループリリース、2026年8月24日)https://group.gmo/news/article/10157/
- ネットショップ担当者フォーラム「「カラーミーショップ byGMOペパボ」が「ChatGPT」「Gemini」経由の流入・購入を可視化する無料アプリ「カラーミーAI集客アナリティクス」を提供開始」(2026年8月26日)https://netshop.impress.co.jp/n/2026/08/26/16615



