Googleは9月15日、開発者向けのChromeブログで、Chrome User Experience Report(CrUX)に広告に関する4つの指標を追加したと公表した。実際の利用者の環境で、サイトにどれだけ広告が載っているかを測る指標である。4つとも実験的な位置づけで、Core Web Vitalsには含まれない。
背景
CrUXは、Chromeの利用者から集めた実際の表示データを公開する仕組みである。これまでは表示速度や操作の応答といった指標が中心だった。今回、広告そのものを対象にした指標が加わった。
追加されたのは次の4つである。
- Ad Count:画面内に表示されている広告の平均数
- Ad Density:画面の面積に占める広告の平均割合
- Ad Weight(Network):広告が消費する通信量(バイト)
- Ad Weight(CPU):広告が消費する処理時間(ミリ秒)
参照はCrUXのAPI、履歴API、およびCrUX Visから行える。Googleは、データの対象となるサイトが今後1か月ほどかけて増えていくとしている。対象となる条件は、既存の指標と同じ基準が適用される。
Googleは4指標に「実験的」という表示を付けている。意見を受けて定義を見直す可能性があり、指標を追加することも考えているという。目標値やしきい値は示されていない。検索順位への影響についても、Googleは何も述べていない。
事業者への影響
要点は、CrUXが公開データだという点にある。条件を満たすサイトであれば、自社に限らず他社のデータも参照できる。広告の載せ方が、外から数値で見える状態になった。
関係するのは、自社メディアやブログで集客しているEC事業者と、比較記事やレビュー記事を運営している事業者である。広告の量については、これまで社内でも感覚で語られがちだった。多いか少ないかを、画面の占有率という共通の物差しで言えるようになる。
広告の処理時間と通信量が分けて測れる点も実務に効く。表示が遅い原因が広告なのか、それ以外なのかは切り分けが難しかった。広告分を単独で見られるなら、改善の優先順位を決めやすくなる。
今日から進められるのは次の3つである。
- CrUX Visで自社ドメインの4指標を確認し、現在地を記録する
- 広告の占有率が高いページを特定し、本文の読みやすさと見比べる
- 広告の処理時間が大きい面で、読み込みの遅延や不要なスクリプトの整理を検討する
一方で、順位対策として扱うのは早い。Googleはこれらが検索順位に影響するとは述べていない。実験的な指標であり、定義が変わる可能性もある。現時点での価値は、広告体験を数字で語れるようになったことにある。
今後の見通し
Googleは、意見を踏まえて指標を見直す構えを示している。定義の変更や指標の追加がありうる。しきい値が設けられるかどうか、Core Web Vitalsに組み込まれるかどうかは、現時点で示されていない。
広告の量が公開データになったことで、媒体を選ぶ広告主の側が参照する動きが出る可能性もある。ただし、そうした利用が実際に広がるかどうかは、今後の観察を要する。
出典
- Chrome for Developers ブログ 広告指標の追加に関する記事(2026年9月15日):https://developer.chrome.com/blog/crux-ad-metrics
- Chrome for Developers 広告指標のドキュメント:https://developer.chrome.com/docs/ads
- CrUX Vis:https://cruxvis.withgoogle.com/
- Search Engine Roundtable「Google Chrome User Experience Report (CrUX) With Ad Metrics」(2026年9月16日):https://www.seroundtable.com/google-ad-metrics-crux-42093.html





